ご挨拶

第57回 日本周産期・新生児医学会学術集会

会長鮫島 浩

宮崎大学医学部附属病院長

このたび、第57回日本周産期・新生児医学会学術集会を2021年(令和3年)7月11日(日)〜13日(火)の3日間、シーガイアコンベンションセンター(宮崎市)で開催する運びとなりました。2006年(平成18年)に池ノ上克教授(現 宮崎大学長)が第42回を主催されて以来、15年ぶりの宮崎での開催となります。

本学術集会のテーマは「神話の地から、周産期医学の未来への提言」としました。目覚ましい医療の進歩によって、周産期死亡率、新生児死亡率は著しく低下しましたが、さらなる病態の解明や新たな機器の発達、治療の進歩によって、まだまだ改善していく余地が残っています。これらの点をふまえ“日向の国”宮崎から周産期医学の未来へ発信したいと考えます。また社会的には、少子化、晩婚化によって社会構造が変化し、周産期を取り巻く環境にも様々な変化と新たな問題が生じてきています。そこで産科、小児科、小児外科、麻酔科、行政等様々な分野と、医師、看護師、保健師・助産師、心理士や理学療法士等多職種連携も視野に入れて、プログラムを企画しました。

特別講演は、本県出身の著名な歌人である若山牧水を研究されている宮崎大学教育学部 中村佳文教授に「若山牧水と日本の恋歌〜性愛と家族愛へのまなざし〜」と題して講演していただきます。また、日本の周産期医療の発展に多大な貢献をしてこられた池ノ上克学長に「周産期医学の過去と未来」をお話しいただきます。

海外招聘講演は、胎児生理学分野で活躍されている米国Loma Linda UniversityのCharles A. Ducsay先生に妊娠中の慢性低酸素と脂肪組織について、新生児分野ではUniversity of California, Irvine、NICU部長のCherry Uy先生に新生児PDA管理のトピックスについて、小児外科分野ではSeattle Children's HospitalのAssociate ProfessorであるJohn Meehan先生に、新生児におけるロボット手術について、それぞれご講演(WEB配信)をしていただきます。

今回の学術集会では、教育講演とシンポジウムをセットとして、若い先生方も基本的な知識から最新の知見まで幅広く学ぶことができる構成にしました。教育講演16題、シンポジウム16テーマ、セミナー2テーマでプログラムを企画しました。この他にもワークショップや学会委員会企画が予定されています。

世界中に吹き荒れる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に翻弄され、社会の情勢や学術集会のあり方の変化を余儀なくされています。今回の学術集会は、現地開催の利点とWEB配信の長所に鑑みて、基本的には現地開催といたしますが、ご来場が叶わない皆様のため、いくつかのセッションをWEB視聴いただける形に準備する予定でございます。現地会場にご来場いただける皆様にはface to faceの意見交換をお楽しみいただき、また会場においでになれない方にもWEB学会をご視聴いただき、ご満足いただける学術集会にしたいと思います。

全国から多くの皆様方にご参加いただけることを、心からお待ち申し上げます。